現代世界の政治は中央集権から地方分権への考えが主流となっている。しかしそれが本当に国家にとって良いのだろうかと疑問に感じる。
かつてテレビが今よりまともだった時代に当時の運輸省官僚が評論家達と議論をしていたのを覚えている。バスが停留所を県を跨いで一箇所造るには中央政府の運輸省の許可が必要だというのは地方分権の観点から是正するべきだというのが評論家達の主張。対する運輸省側は、地方自治体は国全体を考えずに権利を主張するが、交通の体系は自治体ごとの主張を取り入れていると利用者が不便になる、非効率化が進んでしまうと主張。そして運輸省側は自治体に対する許認可権を利用して自治体に交渉する。テレビを見ているほうには司会者の匙加減で分権派の主張に軍配が上がるような議論の流れになっていた。
それとは別に私の地元の区役所職員から聞いた話では横浜市ではJR横浜駅から西に向かう地下鉄を造る計画(現在は既に出来ている)で、東急はJR渋谷駅に到達する東急線の「たまプラーザ」という急行停車駅に市営地下鉄駅を造ってくれと横浜市に要望する。
東急は「たまプラーザ」駅にバス路線を集中させて駅前の商業施設も充実させた。ところが横浜市役所は地盤が如何とこうとかの理由をつけて「たまプラーザ」の隣の駅の各駅停車の「あざみ野」駅に地下鉄駅を造ると主張。横浜市の発想は地下鉄沿線の巨大団地の横浜市住民がJR横浜駅に集まるようにすべきだ、横浜市民がJR横浜駅に向かわず東京へ流れてしまうのは許せないという考え。それで結局市営地下鉄の駅は東急線の各駅停車駅の「あざみ野」駅に造ってしまった。東急田園都市線住民の多くの職場が東京にあるが東急田園都市線の急行停車駅を二駅続けて造らねばならず、それでも横浜市役所は「たまぷらーざ」駅ではなく隣の「あざみ野」駅の傍に地下鉄駅を造ってしまった。それで現在はあざみ野」と「たまプラーザ」が連続して止まる急行駅となっている。横浜市役所の意地が国全体を考える日本政府に勝ってしまい、ニュータウンの住民の意向はどうでも良いのだなと感じたものである。
日本全体に地方分権 ⇒ 地方主権の流れがあるならば、やがては連邦制へと向かい、そして国家解体へと周辺諸国は陰謀を画策することだろう。
宮城県、北海道、静岡県、‥‥ 。外国の影響下にあるのではないかと想像したくなる政策が行なわれている地方自治体が全国に散見される。首長だけではない。役所の職員の多くが外国に靡くならば、首長がまともでも自治体は外国に操られることとなる。
但し要注意は自治体の議会は小選挙区制ではなく殆んどが大選挙区制か精々中選挙区制。それで「地方の事は地方に!」という耳障りの良い言葉を発する地方分権派が選挙民に受ける。知事や区長、~長は選挙民に弱く、それだけではなく予算の承認権を握る議会に従わざるを得ない。議会の承認がなければ行政は一年間、仕事ができない。だから行政職員も首長も日頃から議員に気を使う。そこで議員の暗躍。最大多数の与党であっても過半数には程遠く、他党と交渉しなければ議案は通らない。そういう中で自治体の行政は行なわれている。近年、いくつもの保守政党が地方議会に進出していることは頼もしいこと。しかし積年の悪影響が全国に浸透しているように見える。自治体職員には支持者の結束力の強い政党の支援組織の会員が多数就職していて、彼らにとっては待遇の良い就職先のようで、現場の窓口はその影響を受けているように感じる。
東京都の場合は小池都知事が自前の党を創り外国利権派、国内利権派を潰そうとしたが都議会の自民党も他党も一致して小池新党潰しに掛かり、自前の党のはずの国政政党の小池新党に潜り込んで小池知事の力を潰すことに成功した。小池都知事の新党に潜り込めたのが国民民主党で潜り込めなかったのが立憲民主党という風に私には見える。立憲民主党は論外だが、国民民主党がフラフラに見えるのは成り立ちに原因があるのではなかろうか。
何度でも「質問」を繰り返しての「排除ですね!」の言質を小池知事から取った記者会見の異常さを誰も指摘しない。築地移転問題やオリンピック実施などの流れを見ているとつくづくそれを感じる。利権排除に頑張った小池都知事は内外利権屋勢力によって潰され、結局思うように政策が行えていない。それでも彼女は利権屋議員、利権屋職員に取囲まれての職務遂行で非常に良く頑張っているように私には見える。
現在の小池都知事に対する批判は今までの流れを知らない人か、利権屋側の人ではないかと私には見える。都庁は小池知事が実権を完全には掌握しないままに長年月に出来た利権構造が都庁の職員達に根を張っているのではなかろうか。私は都税事務所に行った際に職員の有り得ないタチの悪さに絶句した。たった一つの事実でも”一事が万事”である。議会、行政職員の両方を支配できなければ巨大組織の都庁は動かせない。小池都知事にはまだまだ長く頑張って欲しいと私は願っている。
同じことは高市首相にも言える。高市早苗氏が首相になっても党内に色々変なのが居るし、行政内にも積年の連立政党の影響が残っているはず。具体的には外務省とか法務省とか国土交通省とかその他の行政組織内部に公明党に取り立ててもらった職員が多数いると想像される。組織と言うのはそういうものだから。高市首相が独自色を出せるまでにはもう少しの年数を見るべきであろう。
最近の政治には女性の活躍が華々しい。彼女達はキャリアと属性から考えて女とカネに無縁なんだろうと思う。女性にもダメな政治家はごまんといるが、男性でも女性でも良いから有能な彼女たちには多いに期待したい。
日本も世界も中央集権よりも地方分権を望む声が圧倒的な流れに感じるが、世界の国や地域の特性に拠って何処もかしこも地方分権が良いとはいえない。中国のように中央の蛮族が周辺民族を侵略・併合し、統治に厳しい弾圧を加える国には国家分解を国際社会は求めるべきだし、日本の場合は地方自治体の首長や職員は際限ない権限の拡大を欲しがるが、次世代の日本の発展に非常に大きな影響を予想させるリニア新幹線の完成遅れを見せ付けられるにつけ、日本のように言語や文化が統一されていて、交通と通信の発展、普及、今後の進歩予想から見て、地方分権を見直すべきだと考える。
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