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貿易赤字継続中の不思議  : 栗原茂男

貿易赤字が話題になっています。
通常、産業の国際競争力が弱いと輸入が輸出が上回って貿易収支は赤字になり勝ちです。

ではここのところ貿易赤字が続く日本は産業の国際競争力が弱っているのでしょうか?

赤字が出ていると言う事は結果としてそうなのですが、国際競争力が弱るというのは技術が劣化して弱る場合と為替相場が不当に上がる場合とあります。
現今の日本の場合は技術力が劣化したからでは決してなく円が高くなり過ぎであることが数値で説明できます。

財務省発表のこちら↓のページの貿易収支の「E 行」をご覧下さい。
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国際収支
http://www.mof.go.jp/international_policy/reference/balance_of_payments/bp_trend/bpnet/sbp/s-1/s-1-1.csv

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貿易収支が平成20年、西暦2008年から急激に悪化しているのが判ります。そして昨年平成23年は赤字転落です。

その間の円ドル相場を見てみます。2008年から毎年10円単位くらいで円が上がっています。
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東京外為市場における取引状況(2002年中)  円ドル相場;125円14銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2002.htm/

東京外為市場における取引状況(2003年中)  円ドル相場;115円94銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2003.htm/

東京外為市場における取引状況(2004年中)  円ドル相場;108円17銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2004.htm/

東京外為市場における取引状況(2005年中)  円ドル相場;110円21銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2005.htm/

東京外為市場における取引状況(2006年中)  円ドル相場;116円77銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2006.htm/

東京外為市場における取引状況(2007年中)  円ドル相場;117円31銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2007.htm/

東京外為市場における取引状況(2008年中)  円ドル相場;103円39銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2008.htm/

東京外為市場における取引状況(2009年中)  円ドル相場;93円60銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2009.htm/

東京外為市場における取引状況(2010年中)  円ドル相場;87円75銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2010.htm/

東京外為市場における取引状況(2011年中)  円ドル相場;79円76銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/ex2011.htm/

そして昨日2012年9月26日 ; 77円74銭
http://www.boj.or.jp/statistics/market/forex/fxdaily/2012/fx120926.pdf

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これでは日本企業の国際競争力が下がって当たり前です。
ただ日本は対外純債権が世界最大なので利子配当の所得収支(「 I 」行)が大幅黒字で貿易収支の赤字を補っています。

こういう場合日本の執るべき政策は貿易収支は当面気にせず、国内景気を良くすることに全力を上げるべきです。

こちら↓のページの中頃、【 年次GDP実額  名目470.0兆円時系列データ(CSV形式:7KB)】をクリックして開くと、
http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/menu.html
「 B 」行がGDPです。#が並んでいる箇所にカーソルを合わせると数字が見えます。なるべく見せたくないかのようです。

「実質」は製品の「実際の価格(つまり名目の価格)」より品質が上がっているので本当はこのくらいの価値が有るという理由で現実の売買価格より高い価格で日本中の商品の価格を推定して発表しているのです。
しかし、我々巷で仕事をしている者にとっては実際の取引金額こそ現実なのですが、政府の発表は参考数値であるべき「実質」を強調します。

ところで話がずれましたが、円相場を下げるには如何すれば良いかですが、一番手っ取り早いのが政府による為替介入です。現在世界中の国々がやっています。やってないのが日本だけと言う印象です。それどころか、人民元が上がるのを守る為に必死で為替操作をし、余った外貨をなるべく海外に預けたい中国政府は日本政府の政策は大変ありがたいことだと思います。
何しろ経常収支が大幅黒字進行中で対外純債権はダントツ世界一で、カネを預けるのこんなに安全な国は無い。
そんな日本国政府は日本国債を外国の皆様、是非買ってください!という政策を執ってくれているのですから。

従来言われて来たのが、日本政府の国債は大半が国内で消化されているので、何も問題はないでした。
ところが今後難しい対処を迫られる外国人(個人、法人)保有を積極的に進めているのです。
しかも中国は外貨が減って、人民元高圧力を減らすことが出来、日本政府への圧力のカードを手に出来るのですから一石二鳥の政策を日本政府が執ってくれているのです。

日本政府が取るべき経済政策は投資情報官制度を即刻廃止し、大規模な財政政策を行なう。
財源は [ 国債発行 → 日銀迂回引き受け ]でも構いませんが、最善の政策は既に利用されている政府貨幣の大規模利用です。

そんなことをすると円の信任が下がると言って反対する人が居ますが、下がるわけないのですが、百歩譲って下がるとして、それなら円相場が下がるのですから結構な事。
そんな事言って反対する人は、経済が全く判らないのに知ったかぶりをしている人という印象です。

ハイパーインフレを言う人も可笑しな事を言う人達。
マネサプライが増えても流通速度が遅ければ物価は上がりません。そして日本は今、そんな状態です。
通常の3倍くらいのお金が市場に出回っているのに、ハイパーインフレどころかデフレ継続中です。これを如何説明する?
ハイパーインフレを口にする人に尋ねても皆さん、キョトンとして答えません。
答えられないと言うより、ご自分が言ってる事がどういう意味かが解らずに聞きかじった事をオームや九官鳥の如く口にしているだけという印象です。

ケインズ乗数は現代が乗り越え不可能な経済学の公式。理論的に否定できればノーベル賞をいくつ貰っても余るほど。
そうであるのに、乗数理論を知らないかのごとく経済を語り(多分本当に知らない)、財政政策を否定する人達が日本経済を縮小させてきました。
その罪の深さは計り知れません。

日本経済が縮小する過程で技術者と共に技術が流出し、世に出るべき革新的新製品が販売予測が立たずに日の目を見ず、良い技術が埋もれたまま、という事態が無数にあると思われます。
経常収支の黒字は裏返すと、経済学理論では、貯蓄超過。
日本人はせっせと働き、稼いだカネは返す気のない外国へ貸し出す。技術も外国へ垂れ流し。

公共工事悪玉論、撲滅論を振りまいてきた人達が経済苦による「自殺者(本当は大部分他殺?)」年間3万人以上を作り出してきたことは間違いないと思います。

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