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TPPの一番危険な部分           BY 栗原茂男

最初に訂正とお詫びです。

≪アイスランド政府;中国の土地取得却下 ≫ で竹島へ行こうとしたと述べましたが、間違いでした。
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竹島ではなくて鬱陵島です。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110802/stt11080211160002-n1.htm
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お詫びします。

≪ TPP問題と政界の動き ≫ について送信先の方からコメントを戴きました。
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色々な情報を有り難うございます。
Tppに関して言うと、アメリカが最も重視し、日本にとって一番危険なのは、ISD条項です。

この条項はNAFT(北米自由貿易条約)にも11章として含まれ、カナダとメキシコが色々ひどい目にあって居る条項です。
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TPPについて国会で議論をしないまま、野田総理は「寡聞にして知らない」まま外国で参加を発表しました。
佐藤ゆかり議員が10:30頃からISD条項について野田総理を追及しています。
http://www.youtube.com/watch?v=aELTpD5UXrc
ドタバタが始まったのは16:15あたりから。
19:59あたりで「寡聞にしてそこを詳しく知らなかったもので~」と述べています。

いただいたコメントによるとカナダが酷い目に遭っているそうです。

ご指摘とご提言は添付ファイルなので二重線以下に貼り付けます。

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恐ろしい、NAFTAのISD条項(Chapter 11)
2011.11.17.

               

TPPの論議は、「論点を農業問題に集中させ、一部の抵抗勢力のエゴと言うカタチを際立たせて、その他の問題点を国民の目に触れないようにし、最後は農業分野に幾らか予算をばらまいて決着に持ち込む」と言う戦術が採られて居ます。この「その他の問題」の中で最も危険で、実はアメリカが最も重視しているのは、「ISD(Investor State Dispute )条項」(国外投資家と受け入れ国政府との間のモメゴトに関する取り決め)です。

この実例として頻繁に取り上げられて居るのは「カナダ政府が、神経性の毒性がある、或る添加剤を含む燃料の使用と輸入を規制したところ、これを輸出して居たアメリカの業者が、カナダ政府に、この規制によって被った損失の損害賠償を要求した。この裁定は世銀の下の3人委員会にゆだねられ、カナダ政府に賠償の支払いが命じられた。裁定に当たっては、カナダ政府の規制自体の当否には全く触れず、ただアメリカ企業の請求額が実際に生じた損失に照らして妥当かどうかだけが問題になった」と言うものです。

これだけ聞くと随分と無茶な話で、何故そうなるのか?そもそもNAFTAの条文自体はどいうなって居るのか?を調べて見ました。そして実は「そうなる他ない」ように出来て居るのが判りました。更に、(これは私見ですが)今のアメリカ経済と国内の状況および、此処から出てくるだろう、今後の政策の方向性から見ると、此のISD条項(NAFTAでは Chapter 11)が、実はアメリカが最も重視して居る部分であることが推察されます。

以下は、Gary Clyde Hufbauer and Jeffrey J. Schott の著書、NAFTA Revisited: Achievements and Challenges の第4章 p206 からの引用です。

The most criticized provision, Article 1110, is controversial because it attempts to balance investor rights against government measures to protect public welfare.
最も批判の多い規定である11条10項 は、公共の福祉を守ろうとする政府の施策と、投資家の権利をバランスさせようとして居る為に、論争の的になって居る。

Article 1110 of NAFTA states that, a host country cannot expropriate from a foreign investor directly or indirectly, unless the expropriation is explicitly done for a public policy purpose, on a nondiscriminatory basis, in accordance with due process of law, and with fair compensation.
 NAFTAの11条10項には次のように述べられている。(投資を)受け入れる国は、或る施策が、厳密に公的政策目的の為に行われ、かつ被差別的な基準で法的な手続きに厳密に合致し、公正な補償が行われる場合でなければ、外国の投資家から直接的または間接的に(利益を)奪ってはならない。

These restrictions apply to direct or indirect measures “tantamount to expropriation” phase broadly to encompass “regulatory takings”
.此らの規定は、直接的または間接的没収と同様に悪質な、売り上げ制限にも適用される。

Host governments would be required to compensate foreign investors for damages equivalent to the amount of profits lost on account of regulation designed to further domestic social policies(e.g., environment, human health, and safely).
当事国政府は外国の投資家に、国内の社会的政策目的(例えば環境、人体の健康と安全)のために計画された規制によって生ずる、失われる利益の全額を補償することを要求される。

                                         引用終わり

 これを読むと「何故、カナダ政府は黙って賠償を支払わざるを得なかったか?」「何故、裁定委員会では、賠償請求の基礎と成った損失の見積額の妥当性だけしか審査されなかったのか?」が、良くわかります。……「サインした条文は、そうなって居るから」です。

 従って、うかつに(同様の条文を含むだろう)TPPに加わると、例えば将来、BSE牛の問題が再燃したとき日本政府が輸入を規制すると、シカゴ当辺りの政治力が強い食肉企業から訴えられて、巨額の賠償を召し上げられるだろう・・・でなくて必ず取られます。

此の本の内容は、Peterson Institute for International Economics のHPから、今のところ全文を無償で、PDF形式で down load 出来ますが、このPDFは password  で保護されて居て、読むだけが可能で、印刷や部分的な copy & paste は出来ません。

以下は、野田総理が公表参加を表明してしまった事を前提として、日本の致命的利益を守るための戦術レベルの意見を追加しました。
1. ISD条項にもNegative List と言う概念を入れることに固執する。

この点に関しては、今回手を挙げたカナダとメキシコは、NAFTAで苦い目にあって居る国ですから、NAFTAを発展的に解消してTPPに参加する選択肢を含めて、会議の進行過程で手を握ることも出来るのではないでしょうか?

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