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「ホルミシス効果」は人体の基本機能のもたらすもの     BY 栗原茂男

「史実を世界に発信する会」事務局長の茂木弘道氏からのメールです。

転送いたします。

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 栗原茂男 様,
 
 ラッキ博士が通常有毒物と言われている例えばヒ素などの物質を微量摂取すると、毒ではなく、体に有益な作用をもたらす、という現象が広く存在することに着目してこれをホルミシス効果と呼びました。放射能にもその現象があることを発見し、それを実は証明している膨大な文献と、自らの実験結果をもとにしてまとめた本が『放射線ホルミシス』です。日本語訳は、ソフ
トサイエンス社から、I,IIの2巻で刊行されています。翻訳監修者は放射線医学総合研究所長の松平寛通博士です。

 「放射線ホルミシス」などというと、何か神秘的なものであるかのように思う方もあるかもしれませんが、これは生物の体が持っている基本的な「防御能力」のもたらすもの一つです。オックスフォード大学のアリソン教授も『放射能と理性』の中で書いていますが、強いストレスがかかったときにそれに対応する機能が働きますが、それによって、それ以前よりも強い防御力
が生まれます。我々が体のトレーニングをする場合も体に負荷をかけ、組織を一部破壊しますが、それが単に修復されるだけではなく、より強い体になるというのがトレーニング効果です。放射線ホルミシスもこれと同じで、放射線というDNAを破壊するものに当ると、DNA修復作用が強力に働いてDNAを直します。これをやっていると、単に元通り修復するだけではなく、より強い修復能力が獲得される、これがホルミシス効果にほかなりません。

 別に神秘的でも何でもない、生命体が基本的に持っている防御能力がもたらすものです。しかも、今やDNA修復能力の仕組みとその程度が急速に解明されてきました。2001年に放射線発ガン研究の世界的な権威者であるチュビアーナ博士が、人間の胎盤とか胎児の細胞を使って、放射線が人間の細胞に与える効果を調べた結果を発表しています。何と自然放射線の10万倍に当たる10ミリシーベルト/時までなら、どんなに放射線が細胞を傷つけ手も完全に修復させてしまうと発表しました。単純計算すると、8万ミリシーベルト/年という事になりますが、1年間毎時ずっとこのストレスに耐え続けるというのは非現実てきです。ラッキー博士が線量応答曲線で示しているように、1万ミリシーベルト/年までは、害のない範囲(修復が完全に行われる範囲)というのが妥当な線という事になりましょう。

 このレベル以下だと次第にホルミシス効果がみられ、100ミリシーベルト/年というあたりが体にもっともよく、免疫力の増加、白血球の増加、感染の減少、ガン化の低下などもたらされる、というのがラッキー博士の主張です。DNA修復機構の研究の進展によってこれが確かめられつつあるわけです。

 なお、『正論』12月号に『放射能を怖がるな』の書評が載りました。添付の通りです。ご参考までに。

平成23年10月31日  茂木弘道拝

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