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IS-LM曲線は、マクロ経済学の基本 :松田学衆議院議員   -栗原茂男

 

4月29日に掲載した 《 純日本人会1430 / 丹羽博士、松田衆議院議員の財政金融論 》 で

6行目 《 LM曲線が現在の日本では垂直なっているので金融政策では経済成長は無理だというお話です。 》 はごく初歩的な間違いでした。

お詫びします。

ブログ掲載後すぐに松田衆議院議員からメールが来て、それとなくご指摘がありました。

正しくは下記です。二重線以下に松田議員からのメールをご許可の上、掲載します。

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IS-LM曲線は、マクロ経済学の基本中の基本です。

日本経済の現状は、金融経済の均衡関係を示すLM曲線が横に寝ているので、通貨供給量を増やしてLM曲線を右の方にシフトさせても、金利が下がってGDPが増えるという現象が起こらない状態にあります。このようなときに、GDPを増やすためには、実物経済の均衡関係を表すIS曲線を右にシフトさせるしかありません。

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栗原様

IS-LM曲線は、マクロ経済学の基本中の基本です。

日本経済の現状は、金融経済の均衡関係を示すLM曲線が横に寝ているので、通貨供給量を増やしてLM曲線を右の方にシフトさせても、金利が下がってGDPが増えるという現象が起こらない状態にあります。このようなときに、GDPを増やすためには、実物経済の均衡関係を表すIS曲線を右にシフトさせるしかありません。

LM曲線が横に寝ている状態とは何を意味するのかというと、普通なら、金利が下がれば、人々は、預貯金の利子が下がって、預金していても仕方ないから、株式などもっと有利な運用におカネを回そうとするのですが、将来に対する不確実性が大きい時、あるいは、デフレで通貨の価値が上がっているときには、人々は、おカネを預貯金の形で寝かせたまま、投資や消費に回そうとはなかなかしないので、そのような効果は起こらないということです。

これは「流動性の罠」とも呼ばれる状態ですが、人々が「貨幣に対する無限の愛情」(ケインズ)を抱いているときに、手元に貨幣をとっておこうとする「流動性選好」(ケインズ)が強まり、貨幣という流動性を実物と交換する(投資や消費をする)ということをしようとはしなくなる状態です。

ケインズは、将来の不確実性が大きい時に流動性選好が高まるとしましたが、デフレ経済も、流動性選好を高めます。なぜなら、デフレで価値が上がる通貨を人々はなかなか使いたがらなくなるからです。

金融政策が効果を上げるのは、利子率の低下を通じてであるというのが、通常のマクロ経済の理論です。しかし、上記のような「流動性の罠」の状態では、金利は下限に張り付いてしまって、これ以上、金利は下がりようがありません。日本は人類史上始まって以来の低金利状態です。

ここで、「非伝統的金融政策」の出番があります。それは、期待インフレ率を高めることによって、実質金利を低下させることです。

実質金利=名目金利-期待物価上昇率

です。おカネを借りた場合の実質的なコストは、名目上の金利水準から、おカネの価値が低下する分を差し引いた値になるからです。インフレであれば、その分、将来、おカネの価値が下がっているのですから、返済負担は低下します。

そこで、これ以上、名目金利が下がりようのない状態での金融政策は、まさに黒田総裁が言う「期待に働き掛ける」ことがポイントになります。量的緩和は、日銀が国債などを大量購入することで日銀のバランスシートを拡大することが、期待物価上昇率を高める(今はマイナスの上昇率を2年後には+2%の上昇率になっていると人々が予想するようにする)という効果を目指すものにほかなりません。

問題は、本当に人々がそのような期待を抱くようになれるかどうかです。

15年も日本ではデフレが続いていますから、人々の期待はそう簡単に変化しません。そこで、日銀のバランスシートを2倍にするという「サプライズ」で経済の雰囲気を変えることを狙ったわけです。これは当面は、ショック効果があるでしょう。しかし、人々の期待が変わるためには、実際にマネーが顕著に増えて、物価がかなり上がっていくなぁと、人々が思うような現実が現れてこなければなりません。

単なるアナウンスだけで、その点が期待外れだと、せっかく膨らみかけた人々の期待はしぼんでしまいます。

ですから、本当にマネーが増える効果が見えなければならないのですが、それが実は、問題なのです。

これは、私が「警告」で書いたとおりで、量的緩和は、日銀に大量の国債を抱え込ませるだけで、肝心の市中のマネーサプライ増加につながるかどうかは別問題だからです。

つまり、金融政策が主導してマネーを増やすことはできません。だから、金融政策だけで期待が大きく改善していくかは疑問です。

仮にマネーが増えても、「流動性の罠」の状態では利子率が下がりませんから、GDPは増えません。マネーの平均的な回転速度が下がるだけです(ネーはジャブジャブだが回っていないという現状がそう)。

結局、実物経済でGDPを増やす(IS曲線を右にシフト)させないと、何も動かないのです。

これをやれば、それに追随して、マネーが増え、おカネが回転して、予想物価上昇率も上がっていくということになります。それによって実質金利が下がり、実体経済がさらによくなるという好循環が起こるということになります。

金融政策で大事なのは、総需要が増えて実体経済が良くなることがマネーの増加に円滑につながるような環境を整備するということにあります。

しかし、もう一つの問題が、私が警告している通り、実体経済で有利な運用先が現れれば、銀行は日銀の準備預金を取り崩しますから、これが急速に起これば、日銀は大量に購入した国債の売却を迫られ、これが名目金利を上昇させて、せっかくの実質金利低下効果を打ち消してしまうということにあります。

筋からいえば、実物経済の改善⇒銀行券に対する需要の増大⇒銀行券という負債の増大に見合う国債購入、というのが正しい道です。

日銀の役割は、国債の大量購入で肝心なときに長期金利上昇要因を生み出すことではなく、実物経済が改善したときに、それに応じてマネーが順調に増えるように適切に対応するということにあります。

この点を取り違えると、逆効果になりかねません。

松田学

 

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【 第4回勉強会が決定しました。「アメリカからみる、ペリー来航から大東亜戦争まで」(2013.5.9) 】

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アメリカ人が語る、アメリカの社会、戦争、と将来 American society, war, and future, one American speaks

Saturday, April 27, 2013

日時:2013年5月9日(木曜日)19時ー21時

http://www.hiizurutokorokara.com/

場所:東京ウイメンズプラザ (視聴覚室A)

(最寄り駅:地下鉄:表参道駅)

http://www.tokyo-womens-plaza.metro.tokyo.jp/contents/map.html

第4回 日出処から「アメリカからみる、ペリー来航から大東亜戦争まで」

大東亜戦争はペリー来航から

嘉永6年(1853)6月に、アメリカ東インド艦隊司令 長官ペリーの率いる所謂黒船が浦賀沖に現れた。

ペリーは何をしに日本に来たのか。

社会人用にも市販された高校教科書『もう一度読む山川日 本史』には

「そのころアメリカは、北太平洋での捕鯨や太平洋を横断 して中国にいたる新しい貿易ルートを開拓するために、日 本の港で食料や燃料を補給する必要を感じていた。このた め上陸したペリーは、開国と通商をもとめるアメリカ大統 領の国書を幕府側の役人に手渡した。」

何の野心もないような書き方になっていますが、これでは なぜあれだけ日本人が抵抗したのか、ペリーの狙いがどこ にあったのかという最も重要な部分については全くわから ない。

日本が大東亜戦争に敗れた1945年8月14日付のニュ ーヨーク・タイムスには、「太平洋の覇権を我が手に」と . . . → Read More: 講演会&デモ情報 ― 栗原茂男