4月28日、丹羽経済塾が開催されました。
テーマは【 ISーLMモデルで読み解く日本経済の病症と、 アベノミックスの難点、ならびに、丹羽提言の持つ意味 】でした。
「ISーLMモデル」はロンドンLSEのヒックス教授が難解なケインズ理論をわかりやすく体系化したものと言われています。
http://libir.josai.ac.jp/infolib/user_contents/pdf/JOS-02872072-3501.pdf
あんまりわかり易い理論とも思えませんが、兎も角丹羽経済塾では丹羽先生が解説してくれました。
LM曲線が現在の日本では垂直なっているので金融政策では経済成長は無理だというお話です。
こういう話は“通訳”が必要で平たく言うと、日本国内の実需、総需要に比べてお金がジャブジャブで金利も超低金利。
そこへ日銀がいくらお金を撒いても需要が増えなければ景気は良くならない。
そういう話です。
この日、久しぶりに松田学衆議院議員が出席されました。
分刻みで動いているはずの新人だけど大物議員の松田さんは先日のメルマガに投稿して下さり、黒田日銀の量的緩和に危惧の念を持っておられます。
それで質問時間でのやり取りで同様の発言をされました。
私はアベノミクス、黒田日銀を持ち上げてきていますが、財政政策を行う、つまり需要喚起政策を行うことが前提だと述べてきました。
そして安倍政権では毎年20兆円、10年で200兆円の財政政策で2%の物価目標ですから、本当は少ないとは今までのように財政政策を何もやらないよりは遥かにマシで、物価目標もゼロ以下から僅か2%でも景気上昇のストップがないので大いに期待しています。
丹羽先生のような学者や松田議員のような現場を預かる政治家は政策を述べるにあたっては慎重で、少しでも心配な点があると指摘されます。
失点を最小にするのが勝負に勝つための原則で景気浮揚という戦いにあたって細かい点にまで気を配るのは当然かと思います。
ですが、今までの政権よりは遥かに期待が持てることはお認めのはずです。
株価が上がりましたが、財政政策を行わなければ上がるかに見える景気も萎みます。ですが今のところそうなりそうな気配は有りません。
先日なんだったかの会合で寺島さんという人が買っているのは外人で売っているのは日本人と言ってましたが、株価が上がると、資金が必要だが株価が安すぎて売れなかった人や会社が売っているかもしれません。
もしそうなら、保有する株が安くて売れないという重しがとれた個人、法人はこれから積極的に事業を進めるでしょうし、株価が上がれば企業の自己資本が増えて財務内容が良くなります。
財務内容が良くなればやはり事業活動は積極的になります。
だから株kが上がり続ければ政府は何もしなくても景気は良くなるかもしれませんが、政府がこれから大型の財政政策をやる気構えを見せると市場はそれを見て積極的に動き出すはずです。
その時、日銀は今までのように引き締めをせずに何もしないでいれば良いので、景気上昇を日本中が確信すると個人金融資産1,500兆円、法人金融資産800兆円が動き出します。
そこで始めて日銀の出番があるかもしれません。
何しろ日本中におカネが出回りすぎているので、場合によっては市中から日銀がお金を吸い上げる必要があるかもしれません。
その辺り、おカネの統制は財務省出身者が総裁なので政府との呼吸が合うことが期待できると思います。
アベノミクスのもうひとつの心配は、円安で内需は抑制したままという懸念です。物価上昇は需要が生産力を上回った時発生する需要インフレと輸入価格が上昇したときに発生するコストプッシュインフレがありますが、2%物価目標が円安で輸入価格が上がり、製品価格が上がる物価上昇は経済を縮小させます。
しかし輸入価格が上がっても内需が拡大すれば人々の所得が増え、最終的には高度成長時代のように豊かさを実感するはずです。
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